困る前の「家族(民事)信託」という選択

家族の幸せはこうやって繋がっていくんだね。きっと。
家族の幸せはこうやって繋がっていくんだね。きっと。

 

相続対策では、新しい制度が注目を集めています。

 

元々、相続税対策の主目的は、争族防止、納税資金の確保・節税ですが、これらの対策のほとんどは、被相続人の死亡後に効果が発揮されるものです。

 

すなわち、遺された親族間の争いを生じさせないようにし、相続税の節税と納税資金を準備することにより、資産の承継を効率よく行おうとするのが相続対策と言えます。

 

ところが、最近では、相続対策の前提となる高齢者の財産管理へのニーズが増えているのです。

 

 

後見人制度と民事信託

 

加齢により判断能力が低下すると十分な財産管理ができなくなり、

重度な認知症まで発症すると意思無能力者になるため、一切の法律行為ができなくなる可能性が高まります。

 

【成年後見人制度】では、一旦後見人が選定されると

①適任な家族が後見人から排除され、

②財産の管理のみで運用(活用)は制限され、

③財産を本人のためにしか活用処分ができなくなるなど、

事実上財産が凍結されることから、相続対策実行上の大きな制約となりました。

 

 

【信託】とは、特定の者(受託者)が一定の目的に従い財産の管理または処分およびその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべきものとすることを言います。

 

受託者に専門家(信託銀行、信託会社)ではなく、親族その他信頼関係のある人が就任する信託を民事信託と言い、平成17年に信託法が改正され、様々な場面で幅広く活用できることになりました。

 

判断能力が不十分な人の財産権利を保護し支援する制度である成年後見制度が、本人の意思能力、判断能力が著しく衰えた状態になって初めて利用が可能になるのに対し、信託は意思能力がなくなる前、判断能力の衰える前に準備し、そうなる前やそうなってから、本人の財産や権利を保護することができる制度なのです。

 

超高齢社会となった現代において、資産の放置や劣化を未然に防ぎ、更に資産価値の維持・向上に資する制度として期待されています。

 

このような理由から、死後に重点があった相続対策のニーズが変化し、今後は、生前の財産管理および柔軟な資産承継のための生前準備への対応が不可欠になっております。